個人的に注目している銘柄を1社ピックアップして紹介します。今回はブライダルジュエリーやアート作品の卸売り・オークション事業を行っている企業、NEW ART HD(証券コード:7638)について特集します。この企業のビジネスモデルの特徴や、持っている強みについて解説します。
また投資先としてみたときの業績状況や、現在の株価水準などについて分析した結果をあわせて共有したいと思います。興味があれば参考にしていただけると嬉しいです。
NEW ART HD ざっくり評価
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- 収益性
- 4
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- 経営効率
- 5
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- 成長力
- 3
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- 割安度
- 4
-
- 株主還元
- 5
- ブライダルジュエリー・アートといったインフレに強い商品を扱う
- アート作品の潜在価値を見抜く高い目利き力がある
- 非常に高い利益率をたたき出す優れたビジネスモデル
- 株価はやや割安な水準かつ、長期トレンドは横ばい
- 営業利益率14%超・ROE21%超の高収益体質
- グローバル展開による更なる企業の成長に期待が持てる
NEW ART HDはどんな企業?

まずは、NEW ART HDがどんな企業なのか簡単に紹介していきます。NEW ART HDの企業基本情報を以下の表に示します。
| 企業概要 | |
| 会社名 | 株式会社NEW ART HOLDINGS NEW ART HOLDINGS Co.,Ltd. |
| 証券コード | 7638 |
| 業種 | 小売業 |
| 上場している市場 | 東証スタンダード市場 |
| 本社所在地 | 東京都中央区銀座1-15-2 |
| 設立年 | 1994年9月 |
| 資本金 | 33億100万円 |
| 従業員数 | 連結911名(2025年3月31日現在) |
| 事業内容 | ・ジュエリー・アート・オークション事業 ・食品事業 ・ヘルス&ビューティー事業 ・リゾート事業 ・その他事業 |
株式会社NEW ART HDは、今年で創業32年を迎えるブライダルジュエリーやアート作品の販売、オークションの開催などを行っている企業です。婚約指輪や結婚指輪などを販売している銀座ダイヤモンドシライシで有名ですね。
ブライダルジュエリー事業が有名ですが、アート事業として現代アートを中心とした絵画の卸売販売・小売販売・美術館の運営や、エステティックサロンの経営、近年は食肉の販売事業にも参入するなど事業の多角化を進めています。
20代後半から30代前半までの結婚を控えたカップルやアート作品を資産として保有したい富裕層の方々を主な顧客としてビジネスを展開しています。
NEW ART HDの強みとは?

NEW ART HDの主な強みとしては以下の3つが挙げられます。
- ブライダルジュエリー・アートといったインフレに強い商品を扱う
- アート作品の潜在価値を見抜く高い目利き力がある
- 非常に高い利益率をたたき出す優れたビジネスモデル
ジュエリー・アートといったインフレに強い商品を扱う

NEW ART HDの1つ目の強みとしてインフレ環境に強い商品を扱っていることが挙げられます。
ブライダルジュエリーやアート作品といった物品は、食品やアパレルと違い、時間が経っても価値が下がりにくい傾向があります。むしろ、アート作品の場合作家の知名度が上がれば、倉庫に眠っている在庫の価値は勝手に上がります。
日本では円安、物価高が進みモノの価値が上がる傾向が進んでいるため、NEW ART HDの高品質かつ潜在価値の高いジュエリー・アート作品が強みとして活きています。
アート作品の潜在価値を見抜く高い目利き力がある

NEW ART HDの2つ目の強みとして、同社の会長である白石 幸生氏を筆頭とするアート作品の潜在価値を見抜く目利き力をもった社員が在籍していることが挙げられます。
アート作品が今後どのくらい値が上がるのかを見極める力は、容易に競合他社で実現できるものではなく、潜在価値の高い美術品を独自の目利き力で安値で仕入れることにより、驚異的な経営効率の高さを実現することができていると考えます。
非常に高い利益率をたたき出す優れたビジネスモデル

NEW ART HDの3つ目の強みとして、高利益率の優れたビジネスモデルを展開していることが挙げられます。NEW ART HDのジュエリー事業では、ブライダルジュエリーを若年層に販売しており、その繋がりを手掛かりにアート作品の購入顧客にもなってもらう独自のシナジー効果を発揮させることで、顧客の拡大を図っています。
このユニークなビジネスモデルを武器に、高価格の商品を買ってもらう顧客を増やせる強みを持っています。
投資先としてみたNEW ART HD

ここからは、投資先としてNEW ART HDという企業を見たときにどうなのか、分析した結果を共有していきます。
NEW ART HDの業績の推移
NEW ART HDの直近5年間の業績の推移を以下のグラフに示します。売上高を伸ばしながらも、営業利益率・ROEどちらも10%以上の高い水準を維持しており、成長力のある企業であることが見て取れます。

NEW ART HDの株価の推移
NEW ART HDの直近5年間の株価月足チャートを以下に示します。2024年に入るまでは上昇基調が続いていました。
直近は赤ラインの12カ月移動平均線が横ばい、青ラインの24カ月移動平均線が緩い下向きになっており株価は調整中の状態になっています。一方で緑ラインの60カ月移動平均線は右肩上がりを維持しており、横ばいの状態から上昇トレンドに復帰していくかどうか要注目です。

赤ライン:12カ月移動平均線 青ライン:24カ月移動平均線 緑ライン:60カ月移動平均線
NEW ART HDのファンダメンタルズ分析
続いて、NEW ART HDの現在の株価がどの程度の水準感にあるのか、また収益性や株主還元がどうなのか示す指標を以下の表に示します。
| NEW ART HDの分析指標 | |
| PER | 11.3倍 |
| PBR | 2.4倍 |
| 2025年3月期 ROE | 21.3% |
| 2025年3月期 ROA | 8.1% |
| 2025年3月期 売上 | 27,644百万円 |
| 2025年3月期 営業利益率 | 16.7% |
| 配当利回り | 5.5% |
| 配当性向 | 62.4% |
| 直近10年 配当実績 | 増配6回 減配1回 据置3回 |
現在の株価の水準感についていえば、PERが11.3倍、PBRが2.4倍であることから考えると、NEW ART HDの現在の株価はやや割安な水準にあるとみています。ROEが21.3%、ROAが8.1%と高く、経営資源を効率よく利益に変える力が強いとみています。
株主還元に関しては、配当利回り5.5%と非常に高い水準でかつ直近で増配を6回実施しており、安定的なインカムゲインが見込めます。一方で、配当性向が62.4%とやや高く、株主還元に利益を配分し重視する姿勢がうかがえます。
NEW ART HDの将来性

NEW ART HDの業績がこれからどうなっていくのか、業績を押し上げる要因とリスクとなる要因をそれぞれ1つずつ挙げて紹介します。
業績プラス要因: 国内のインフレと円安の進行
NEW ART HDの業績を押し上げそうな要因として、国内でのインフレ・円安の進行が挙げられます。
インフレが進みモノに対するお金の価値が下がることで、貴金属やアートなどを投資目的で購入する層が増えて売り上げを押し上げる効果があると想定しています。
また、円安の進行は海外投資家にとっては、割安で良質な日本のアートを買いあさるチャンスとして働くためインバウンド需要による業績拡大も期待できるとみています。グローバルにアートギャラリーの展開を進めている点も追い風になると見ます。
業績リスク要因:景気敏感性と目利き力の維持、婚姻数減少
一方で、NEW ART HDの業績にマイナスの影響を与える可能性があるリスク要因が、景気敏感性が高いことと強みである目利き力の継承が挙げられます。
ジュエリーやアートといった高価な商品は景気が上向きの間は買ってくれる顧客が増えますが、不況になると買い控えが起こって業績が落ち込む傾向にあり、業績が景気に振り回されやすいのはリスクの一つです。
NEW ART HDの大きな強みである目利き力についても、個人の能力に依存する部分が強く長期的に技術を継承していけるかどうかという点でも懸念が残ります。
また、国内での婚姻数の継続的な減少もジュエリー事業の業績にとっては向かい風になるでしょう。
まとめ:独自路線・グローバル展開での成長に期待!

今回の記事では、ジュエリー・アート作品の卸売・販売・オークション運営などを行う企業であるNEW ART HDについてピックアップして解説しました。NEW ART HDは、結婚を控えた若年層や富裕層を顧客にブライダルジュエリーやアート作品を販売する企業です。
結婚というライフイベントとアート作品への投資というユニークな要素を掛け合わせた独自のビジネスモデルを展開しており、インフレ環境での業績の伸びと美術品の潜在価値を見抜く目利き力といった強みを持っています。
株価は現在横ばいのトレンドを見せていますが、上昇トレンドへ転換するかどうかの分岐点に差し掛かっているとみています。営業利益率・ROEともに10%以上を維持する収益性・経営効率の高さを持っており、配当についても、直近では配当利回りが5.5%に達するなど株主還元の強さは非常に魅力的です。
今後は、国内でのインフレ・円安環境の進行を追い風に、海外投資家からのインバウンド需要も取り込みながら成長を続けていくことが期待されるため注目しています。


