個人的に注目している銘柄を1社ピックアップして紹介します。今回は、中小企業向けに営業支援・人材支援・経営支援を一気通貫で提供する企業、株式会社アイドマ・ホールディングス(証券コード:7373)について特集します。
興味があれば参考にしていただけると嬉しいです。
アイドマ・ホールディングスをざっくり評価
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- 収益性
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- 経営効率
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- 成長力
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- 割安度
- 4
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- 株主還元
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- 中小企業向けに蓄積した10万社超の支援実績データを基盤に、独自支援モデルを確立。
- グループ企業16社の連携により、顧客の営業プロセス全体をワンストップで支援。
- 「外部リソース活用×DX」で中小企業の生産性を高める事業内容が、人口減少・労働力不足という不可避の社会課題とマッチし追い風にしている
- ROE:28.1%、ROA:18.6%(2025年8月期)と非常に高い水準。自己資本比率も改善傾向(66.0%)で、有利子負債も減少中と財務健全性が高まっている。
- 売上高は2021年~2025年の5年間で約3.5倍に拡大。営業支援サービス事業(+22.7%)・人材支援サービス事業(+24.0%)ともに2ケタ成長を継続している。
- 2026年8月期は増収ながら貸倒引当金繰入額・のれん償却額の増加が利益を圧迫する一時的な減益局面にあるが、中小企業向け営業支援需要は堅調なため、V字回復が期待される。
アイドマ・ホールディングスはどんな企業?
まずはアイドマ・ホールディングスがどんな企業なのか簡単に紹介します。企業の基本情報を以下の表に示します。
| アイドマ・ホールディングス 企業概要 | |
| 会社名 | 株式会社アイドマ・ホールディングス Aidma Holdings, inc. |
| 証券コード | 7373 |
| 業種 | サービス業 |
| 上場市場 | 東証グロース市場 |
| 設立年 | 2008年12月 |
| 資本金 | 10億7500万円(2025年8月末現在) |
| 従業員数 | 347名(連結)(2026年8月末現在) |
| 事業内容 | ▼ 営業支援サービス事業 顧客にコンサルティングサービス・アウトソーシングサービス・営業DX支援ツールを提供 ▼ 人材支援サービス事業 リモートワークに特化した人材支援サービスを展開 ▼ その他事業 |
アイドマ・ホールディングスは2008年の設立以来、「少子高齢化社会における労働力人口の減少」という社会課題を追い風に変え、外部リソースの有効活用とテクノロジーを活用した生産性向上を中小企業に提供し続けることで急成長を遂げてきた企業です。
2025年8月期は売上高132.7億円(前期比+25.0%)・純利益19.5億円(+37.1%)と好業績を達成しており、年間売上高が10億ドル未満のアジア・太平洋地域の優れた企業200社のうちの一つとしてForbes Asiaの「Best Under A Billion」にも2024・2025年と2年連続で選出されています。
一方で、2026年8月期は増収ながら貸倒引当金繰入額とのれん償却額の増加による利益圧迫が確認されており、この一時的な逆風をどう評価するかが投資判断の鍵となります。
アイドマ・ホールディングスの事業内容

アイドマ・ホールディングスは、以下2つのセグメントの事業を展開しています。
営業支援サービス事業(売上比率66%)
中小企業向けに非対面で行う営業(インサイドセールス)の代行サービス(テレアポ・メール営業・電話営業)や、一部の地域で新商品をテスト販売するテストマーケティングの支援サービスを提供しています。その他、オンライン商談ツール「meet in」や、法人営業支援ツール「Sales Crowd」などを展開しています。
人材支援サービス事業 (売上比率30%)
主婦・ママ向けに特化したクラウドソーシングである「ママワークス」や、副業・フリーランス向けサービス「ReWorks」、経営幹部・CXO人材紹介「CXOバンク」など、リモートワークに特化した採用支援サービスを展開しています。
その他事業(売上比率4%)
その他に、M&A仲介サービス「M&Aミライ・パートナーズ」、家事代行サービス「シュフラン」、子育て情報メディア「コズレ」等を展開しており、経営支援・生活支援領域への多角化を推進しています。
アイドマ・ホールディングスの強みとは?
アイドマ・ホールディングスが高い経営効率を保ちながら業績の急成長につながっている主な強みを3つ挙げます。
- 10万社超の支援実績データを活かした「テストマーケティング」支援という差別化要素
- グループ企業16社の連携により、顧客の営業プロセス全体をワンストップで支援
- 労働力不足・人口減少という構造的社会課題を追い風とした市場の拡大継続
強み①:10万社超の支援実績データを活かした「テストマーケティング」支援という差別化要素

アイドマ・ホールディングスの最大の強みは、16年以上にわたるインサイドセールス支援で蓄積した10万社超の支援実績データです。この豊富なデータを活かして「どの業種・規模・地域の顧客にどんな訴求が有効か」というテストマーケティングの実行支援ができる点が、新規で営業代行を依頼する中小企業にとって非常に価値があります。
単なる「電話をかける代行」ではなく、「どこに・どう売るか」という戦略設計から実行までを支援できるため、顧客の課題解決度が高く、継続的な取引関係が生まれやすくなっています。この「データを持つ営業支援会社」というポジションが競合との明確な差別化となっています。
強み②:グループ企業16社の連携により、顧客の営業プロセス全体をワンストップで支援

アイドマ・ホールディングスのグループは、インサイドセールス代行にとどまらず、商談ツール(meet in)・法人営業クラウドソーシング(Sales Crowd)・BtoBメディア(マーケメディア)・人材サービス(ママワークス・CXOバンク)・M&A仲介(M&Aミライ・パートナーズ)まで、中小企業が抱える経営課題に幅広く対応するエコシステムを構築しています。
一つのサービスで取引が始まった顧客に対して、グループ内の他サービスをクロスセルすることで1顧客あたりの収益(LTV)を継続的に引き上げられる構造があります。顧客が成長すれば新たな課題も生まれ、その課題にもグループ内でソリューションを提案できるという好循環が、売上の高い成長率を支えています。
強み③:労働力不足・人口減少という構造的社会課題を追い風とした市場の拡大継続

日本の少子高齢化に伴う労働力人口の減少は、中小企業にとって「自社で営業人材を確保・維持することが難しくなる」という深刻な課題を生み出しています。この課題の解決策として「外部リソース(Sales Crowd・ママワークス等)の活用」や「テクノロジー活用による生産性向上(meet in・AIツール等)」というアイドマグループが提供するサービスは、今後需要が拡大していく見込みです。
また、2020年のコロナ禍を機に訪問営業からインサイドセールスへの移行は一気に加速し、多くの中小企業でもインサイドセールス体制の構築・強化が急務となっています。アイドマグループはこのインサイドセールス市場の黎明期から10年以上の実績を持つ先駆者として、市場の拡大とともに業績を伸ばし続けています。
投資先としてみたアイドマ・ホールディングス

業績の推移
直近5年間(2021〜2025年8月期)の業績推移を確認します。年々売上高が増加しているだけでなく、営業利益率・ROEともに20%以上の非常に高水準で推移しており、収益力・経営効率も抜きんでています。
▼ アイドマ・ホールディングスの直近5年間の業績推移

アイドマ・ホールディングスの売上高は5期連続で大幅増収(2021年8月期37.2億円→2025年8月期132.7億円と約3.5倍)を達成しています。営業利益も5期連続増益で、2025年8月期は28.2億円・純利益19.5億円と過去最高を更新しました。
一方で2024年・2025年8月期と営業利益率が低下傾向にある点は、M&Aによるグループ拡大に伴うのれん償却費の増加や、新規事業・新規採用への投資拡大が影響しています。
2026年8月期についても、売上高140億円(前年同期比+5.5%)と増収を維持していますが、営業利益は前年同期比29.1%減となっています。減益の要因は事業拡大に伴う貸倒引当金繰入額とのれん償却額の増加が主因で、中小企業向け営業支援の需要そのものは堅調と説明されています。
株価の推移
アイドマ・ホールディングスの直近3年間の株価月足チャートを以下に示します。
▼ 直近3年間の株価月足チャート

赤ライン:12カ月移動平均線 青ライン:24カ月移動平均線 緑ライン:60カ月移動平均線
アイドマ・ホールディングスの株価は、移動平均線に注目すると直近3年間で下落傾向から横ばいへと変化してきている段階です。
2024年後半から2026年初めにかけて上昇トレンドが表れ、2025年8月期の過去最高益発表後に3,200円台まで上昇しましたが、2026年8月期Q1の決算内容を受けて調整し、2026年8月時点では900円台で推移しています。
ファンダメンタルズ分析
▼ 株価水準・業績・株主還元指標(※PER/PBR/配当利回りは2026年8月28日時点で計算)
| アイドマ・ホールディングス 分析指標 | |
| PER | 11.7倍 |
| PBR | 1.9倍 |
| 2025年8月期 ROE | 28.1% |
| 2025年8月期 ROA | 18.6% |
| 2025年8月期 自己資本比率 | 66.0% |
| 2026年8月期 予想配当利回り | 3.1% |
| 2026年8月期 予想配当性向 | 36.1% |
| 直近10年 配当実績 | 据置1回 |
| 株主優待 | なし |
PER11.7倍・PBR1.9倍という水準であり、株価には割安感があります。ROEが非常に高水準(28.1%)のグロース株である点が目を引きますが、2026年度Q3の利益率低下が市場に悲観的に評価されている状況といえます。通期(2026年8月期)の最終的な着地がどうなるか注目です。
ROEとROAが高水準を続けている点は、アイドマ・ホールディングスの事業の収益効率の高さを示しています。自己資本比率66%・有利子負債の減少という財務の安定化も着実に進んでいます。配当利回りに関しても3.1%とやや高く魅力があります。
アイドマ・ホールディングスの将来性

アイドマ・ホールディングスの業績に今後プラスに働くと思われる要因とリスク要因をそれぞれ2つ解説します。
プラス要因①:グループ各社のクロスセル深化と顧客当たり収益の最大化
グループ16社のサービスが成熟するにつれて、「営業支援で入った顧客に人材支援を提案する」「M&A仲介の顧客に営業支援を提案する」というクロスセルの機会が増加します。
一顧客当たりの収益が上昇することで、新規顧客獲得コストを上回る収益が積み上がり、利益率の改善が期待できます。グループ会社であるM&Aミライ・パートナーズやコズレ等の新事業の売上が急成長していることは、この方向性が機能し始めていることを示しています。
プラス要因②:AIツールの内製化・活用による生産性向上と利益率回復
インサイドセールスの業務(リスト作成・スクリプト最適化・商談録音分析・メール作成等)はAIツールとの親和性が非常に高い領域です。
アイドマグループがAIを活用して業務効率を高めることができれば、現状の人件費・オペレーションコストを抑制しながら取扱案件数を増やせる可能性があります。2026年8月期に低下した営業利益率の回復に向けて、AI活用による生産性向上は重要な施策となりえます。
リスク要因①:貸倒引当金・のれん償却増加による利益率の継続的な圧迫
2026年8月期Q3の最大の懸念材料は、貸倒引当金繰入額とのれん償却額の増加による利益圧迫です。貸倒引当金の積み増しは与信管理上の保守的な対応ですが、顧客である中小企業の債務不履行リスクが高まっているとすれば、回収できない売上債権が増加しているということでもあります。
M&Aによるグループ拡大で発生するのれんの償却は今後も続く構造的なコストであり、これらが利益率を慢性的に圧迫するリスクがあります。
リスク要因②:景気後退・中小企業の投資マインド低下による受注減少
アイドマグループの顧客は従業員数100人以下の中小企業が中心です。中小企業は景気悪化の影響を大企業より受けやすく、営業やマーケティングへの外部委託費用の削減が真っ先に行われる傾向があります。
国内外の経済情勢が悪化した場合、「営業を外注している場合ではない」という判断から受注が急減するリスクがあります。会社自身もこのリスクを有価証券報告書に記載しており、景気感応度は中程度〜高めと認識する必要があります。
まとめ:中小企業の営業活動を支える急成長グロース株
今回は中小企業向けに営業支援・人材支援・経営支援をワンストップで提供するアイドマ・ホールディングス(7373)について分析しました。以下に主なポイントをまとめます。
- 2008年に設立。中小企業向けのインサイドセールス代行を主軸に行っており、グループ16社を擁している。Forbes Asia「Best Under A Billion」に2024・2025年連続で選出されており、国際的にも成長性・収益性が認められたグロース企業として注目されている。
- 売上高は5年間で37.2億円→132.7億円と約3.5倍に拡大。2025年8月期は売上高+25.0%・純利益+37.1%で過去最高益を更新した。
- ROE・ROAが20%以上と業界平均を大きく上回る高水準を継続しており、自己資本比率66%・有利子負債減少で財務の安定性も向上中。
- 2026年8月期は増収予想ながら、貸倒引当金繰入額・のれん償却額の増加で営業利益は前年同期比で減少。この利益圧迫が一時的なものかどうかが通期発表での注目点。
- 少子高齢化・労働力不足・営業DX化という複数の構造的トレンドを追い風に持つ事業モデルは中長期的に有望な一方で、景気感応度の高さと顧客の中小企業の債務不履行リスクは常に意識が必要。
アイドマ・ホールディングスは、少子高齢化×営業DX化という社会トレンドを事業の核に持つ、中長期的に成長余地が大きいグロース株です。売上高が4年で約3.5倍という実績とROEの高水準継続は、ビジネスモデルの確かさを数字で証明しています。
一方で、2026年8月期の利益減少は投資家にとって注意が必要なシグナルです。貸倒引当金の増加が景気悪化を示唆するものか、保守的な引当方針による一時的なものかを通期決算の結果から見極めることが重要です。

